鳥見で願うこと

 鳥見を始めてからずっと絶滅危惧種になっている県のシンボル鳥で、愛媛のコマドリと高知のヤイロチョウを見たいと思っていた。ヤイロチョウは2004年に横倉山自然の森博物館で剥製を見、絶滅しかかっていると聞いて以来、絶滅してしまう前に声だけでも聞きたいものだとずっと思っていた。そして今日、ヤイロチョウの声を聞くことができるかも知れないというのだ。この時期に渡ってくる鳥で縄張りが決まってくるとなかなか声も聞けないというから、聞くことができたら本当にラッキーこの上ない。
 昨夜は床についても眠られず1時、2時、2時半、そして目覚ましのベルが…3時40分。コロパパのお弁当と私のおかずを作り4時半に集合場所へ出発です。コンビニでお握りを2個と冷たい水を買い、ついでにばてないように栄養ドリンクも買ってその場でゴックン、腰に手を当て飲みほす。元気がでました。
 メンバーが揃い5時出発。少し白んでいる中を走っていると東の空が赤々と燃え、それは綺麗な朝焼けです。なんだかいい事がありそうな予感がします。うねうねと山道を走り空きっ腹でちょっと車酔いしそうになった頃にちょっと広い道に着き、路肩に止めてこれから歩きます。
 朝露で草木が輝いて水音が近づいたり離れたり、マイナスイオンがいっぱいの道を往復13000歩、オオルリヤマガラキビタキホオジロ、センダンムシクイ、ヤブサメエナガアオゲラシジュウカラ、ウグイス、カワラヒワメジロ、遠くではホトトギスツツドリ、カッコー、アオバズクの声もが聞こえてきます。雲が湧きあがり澄みきった空気を呼吸し、鳥たちの声を聞いているだけでも気持ちいい!。このあまり手を加えられていない木々の中に浸っているだけで充分。家族や孫たち、コロにもこの気持ちよさを味あわせてやりたい気分でいる時…やった!ヤイロチョウの声が聞こえてきました。この探鳥のためにヤイロチョウのビデオを繰り返し見て鳴き声を頭に入れてきたのですから間違いありません。そしてアカショウビンまで聞こえてきました。ああ、憧れの鳥を同時に!。思い出しただけで嬉しさで鳥肌が立ってきます。お弁当も興奮してしまったのでしょう、半分しか食べられませんでした。
 そしてもう一度聞きたいと林の中で待つことしばし。頭上に尻尾が縞々になった鳥が飛んで行くのが見えました。暫くするとその鳥が戻ってきたのです。ああ、これも見たいと思っていたアオバズクです。遠くでポォ、ポォ、と鳴いていたアオバズクまで見ることができました!。こんな幸せはめったにないことです。
 子育てにやってくるヤイロチョウアカショウビン、その他たくさんの鳥たちが棲むことができるこの自然が子々孫々まで変わらず残って欲しいと願わずにいられませんでした。